大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

津地方裁判所 平成3年(わ)66号 判決

本店

三重県桑名市大字東方字掛越二八三八番地の一

株式会社

桑名環境センター

(代表者代表取締役 三浦洋次)

本籍

三重県桑名市外堀九五番地の一

住居

右同所

会社役員

三浦洋次

昭和二一年一〇月二〇日生

右両名に対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社桑名環境センターを罰金一三〇〇万円に処する。

被告人三浦洋次を懲役一年に処する。

被告人三浦洋次に対しこの裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社桑名環境センターは三重県桑名市大字東方字掛越二八三八番地の一に本店を置き、産業廃棄物の再生処理等を目的とする資本金三〇〇万円の会社であり、被告人三浦洋次は同会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、同会社の業務に関し法人税を免れようと企て、架空外注費、架空消耗品費等を計上するなどの不正な方法により所得の一部を秘匿したうえ、

第一  昭和六二年六月一日から昭和六三年五月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が二六五一万二四一五円であり、これに対する法人税額が一〇一四万三三〇〇円であるのに、同年七月三〇日、三重県桑名市外堀二四番地所在の所轄桑名税務署において、同税務署長に対し所得金額が零円で納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、右不正の行為により、正規の法人税額との差額一〇一四万三三〇〇円を免れ、

第二  昭和六三年六月一日から平成元年五月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が五一五四万五四二一円であり、これに対する法人税額が二〇六八万八九〇〇円であるのに、同年七月三一日、前記桑名税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一五一三万九一八四円であり、これに対する法人税額が五三六万六六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、右不正の行為により、正規の法人税額との差額一五三二万二三〇〇円を免れ、

第三  平成元年六月一日から平成二年五月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が一億五三四一万三七四二円であり、これに対する法人税額が六〇四五万一六〇〇円であるのに、同年七月三〇日、前記桑名税務署において、同税務署長に対し、所得金額が八六三〇万五九一三円であり、これに対する法人税額が三三六〇万八四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、右不正の行為により、正規の法人税額との差額二六八四万三二〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一  被告人三浦洋次(被告人株式会社桑名環境センター代表者代表取締役)の当公判廷における供述

一  被告人三浦洋次の検察官に対する供述調書及び大蔵事務官に対する質問てん末書一二通

一  被告人三浦洋次作成の上申書三通

一  大蔵事務官作成の査察官報告書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算説明資料

一  大蔵事務官作成の査察官調査書一二通

一  五十嵐ゆう子、森川浩也、水谷源郎、工藤雅雄、花井利忠、花井宏一、栗田志賀次、栗田次郎、星野和義、川瀬丑之助及び水谷安吉の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  飯田尚人作成の上申書

一  商業登記簿謄本

判示第一の事実につき

一  桑名税務署長作成の証明書二通(但し、検察官請求証拠等関係カード甲番号40及び43のもの)

判示第二及び第三の事実につき

一  小林健次の大蔵事務官に対する質問てん末書

判示第二の事実につき

一  桑名税務署長作成の証明書二通(但し、前同カード甲番号41及び44のもの)

判示第三の事実につき

一  山下まつ子及び松永高子の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  岩崎寛及び太田善成作成の各上申書

一  桑名税務署長作成の証明書二通(但し、前同カード甲番号42及び45のもの)

(法令の適用)

罰条 被告人三浦洋次につきいずれも法人税法一五九条一項(懲役刑選択)、被告人株式会社桑名環境センターにつきいずれも同法一六四条一項、一五九条一・二項

併合加重 被告人三浦洋次につき刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(判示第三の罪の刑に)、被告人株式会社桑名環境センターにつき同法四五条前段、四八条二項

刑の執行猶予 被告人三浦洋次につき同法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(検察官鈴木實、弁護人北條政郎公判出席)

(裁判官 油田弘佑)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例